「差別化」のための3つの軸

差別化していくうえでは、主に3つの軸に大別されるという考え方。

佐藤義典著「売れる会社のすごい仕組み」(青春出版社)を参考として。

目次

事業を前に進めていくための5つの要素

佐藤義典著「売れる会社のすごい仕組み」(青春出版社)のなかで、「戦略BASiCS」として紹介されている戦略の5つの要素について。

戦略の5つの要素
  1. 戦場・競合(Battlefield)
  2. 独自資源(Asset)
  3. 強み・差別化(Strength)
  4. 顧客ターゲット(Customer)
  5. メッセージ(Selling message)

これらはいわゆる”戦略”や”理論”といわれるものですが、言葉そのものがなんとなくとっつきにくそうですし、実際、これそのものではなかなか効用をなさないものです。

これらをいかに自社の事業に引き寄せ、「具体的に」「一貫性をもって」考えることができるか、というところまで落とし込むことができてはじめて、”自分ごと”として腹落ちし、具体的な事業の行動の指針になり得るものだと思われます。

”差別化”の3つの軸

自社が”差別化”していくためには、どのような方向性に進めばよいのか、を考えるうえで、佐藤義典著「売れる会社のすごい仕組み」(青春出版社)で提唱されている3つの軸はとても分かりやすく参考になります。

手軽軸(「利便性」を追究する)

「早さ」・「安さ」・「便利さ」

これらの追究によって、お客様にとっての”価値”をより磨いていく、という路線です。

安い分、早さや便利さによって回転率を上げていく必要があります。

より早く、より便利に、という方向性に動いていくことになります。

商品軸(「高品質」を追究する)

「高い品質」・「高い技術」

これらの追究によって、お客様にとっての”価値”をより磨いていく、という路線です。

商品そのものに加え、会社そのもののブランド力が高い状態を目指し、自社に関わるあらゆる細部においてもお客様から満足してもらえるよう、安心感・信頼感・リッチさを感じてもらえるような方向性に動いていくことになります。

密着軸(「個別対応」を追究する)

「お客様の個別のニーズにきめ細やかに対応する」

これらの追究によって、お客様にとっての”価値”をより磨いていく、という路線です。

お客様の細かなことを知り尽くし、よりお客様のイメージの具現化に注力する方向性に動いていくことになります。

一貫性を持たせる

これらの方向性の”軸”が定まってくると、以下の諸要素がどうあるべきかが見えてくることになります。

  1. 商品(Product)
  2. 広告(Promotion)
  3. 販路(Place)
  4. 価格(Price)
手軽軸商品軸密着軸
「商品」の方向性より多くの人へ高品質カスタマイズ
「広告」の方向性大量広告、値引き先端層への訴求カスタマイズを望む層への訴求
「販路」の方向性多店舗・長時間・代理店・卸売絞る絞る
「価格」の方向性最安値へ挑戦最高価格高価格
顧客が感じる”価値”早さ・安さ・便利さ・手軽さ高く、かつ、良いもの自分のこだわりがより満たされていく

これらを定めていった場合、経営資源の投入の方向性も定まってくることになります。

例えば、設備投資への考え方・方向性についても、「手軽軸」においてはより大量生産できるような設備への投資を志向することになるでしょうし、「商品軸」においてはより高級化していくために必要な投資を志向することになります。

あるいは、人材評価の考え方・方向性についても、「手軽軸」においては”早く効率よく”、「商品軸」においては”高品質への追究を厭わない”、「密着軸」においては”お客様の個別ニーズを察知して寄り添える”など、評価ポイントは大きく異なるものになってきます。

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