自社の「強み」は、一貫性なく設定しても、長続きすることができない点に気をつけたいところです。
佐藤義典著「売れる会社のすごい仕組み」(青春出版社)を参考として。
事業を前に進めていくための5つの要素
佐藤義典著「売れる会社のすごい仕組み」(青春出版社)のなかで、「戦略BASiCS」として紹介されている戦略の5つの要素について。
- 戦場・競合(Battlefield)
- 独自資源(Asset)
- 強み・差別化(Strength)
- 顧客ターゲット(Customer)
- メッセージ(Selling message)
これらはいわゆる”戦略”や”理論”といわれるものですが、言葉そのものがなんとなくとっつきにくそうですし、実際、これそのものではなかなか効用をなさないものです。
これらをいかに自社の事業に引き寄せ、「具体的に」「一貫性をもって」考えることができるか、というところまで落とし込むことができてはじめて、”自分ごと”として腹落ちし、具体的な事業の行動の指針になり得るものだと思われます。
2)独自資源(Asset)
「独自資源(Asset)」とは、”自社の強み・差別化を無理なく長期的に可能にする強みの源泉”のことです。
例えば、他社にはない設備、他社にはないノウハウなどです。
他社では購入できない高価な機械、よい物を仕入れることができるノウハウ、他社より安価で仕入れることができるノウハウ、継続的に新商品を開発することができるノウハウなどです。
3)強み・差別化(Strength)
「強み・差別化(Strength)」とは、”お客さまが競合ではなく自社を選ぶ理由・決め手”のことです。
競合ではなく自社を選んでもらうためには、お客様側から”他店ではなくここだからこそ”と思ってもらう必要がありますし、そのために、”競合といい意味で異なる部分”(強み・差別化)が必要になってきます。
考えておきたいところとして、この”強み・差別化”は、”誰と比較して強いのか(=誰を競合と考えているのか)”、を明確にしておく必要があります。
そのためには、「戦場・競合(Battlefield)」との一貫性が欠かせないということになります。
強みと独自資源は表裏一体
「強み・差別化」と「独自資源」は表裏一体にあり、切り離すことができません。
なんとなく、”これがお客様に受けそうだから、これが自社の強みだ!”などと突発的に決めても、継続することができません。
例えば、安くすればお客様にとって価値を感じてもらえるはずだ!と思ってみても、中小企業の場合で、これといった理由(独自資源)がないときには、大企業ほど資源(人、物、金)が豊富でない分、体力的に継続していくことは難しいことが明白であるため、やるとしても、ごく戦略的に・ごく短期にとどめるべきという判断をすることができます。
何らかの他社とは異なる「独自資源」があるからこそ、「強み・差別化」が可能となる、ということ。
「独自資源」そのものでは、お客さまにはピンと来にくいものです。
”独自の設備やノウハウがあるよ!”というだけでは、お客さまからすると、”自分にとってそれによって何がどういいのか”が分かりません。
この独自資源を「強み・差別化」につなげることによってはじめて、お客さまが商品を選ぶときの判断基準(他社ではなく自社を選ぶ理由)となります。
もっと話を身近なところで考えてみると(特に創業初期で考えてみると)、「好きなことを突き詰めていくことが効果的」だと思っています。
”他の人に比べてそれが好き”は独自資源になり得ると思いますし、それを突き詰めて、お客さまが価値と思ってもらえるような点まで高め、言語化することができれば、それが”強み・差別化”に繋げることができます。