会計事務所や中小企業のクラウド化のコンサルティングに取り組まれている廣升健生先生の主宰する「ワンクリックオペレーションコーチ講座」を修了し、ワンクリックオペレーションコーチになりました。
クラウド化の「効果」
最近よく耳にする「クラウド」「SaaS」ですが、それを取り入れることでどういったいいことがあるのでしょうか?
クラウドとは?
クラウド(クラウド・コンピューティング)とは、「インターネットを通じて、サービスを必要なときに必要な分だけ利用する仕組み」のことをいいます。
例えば、データをクラウド上のストレージ(Googleなどが提供するインターネット上のフォルダ)に保管するサービスがありますがそういったものや、GmailやYahooメール(メールのサーバーはクラウド上にある)、あるいは身近なところではLINEもクラウドサービスといえます。
クラウドのメリット
クラウドのメリットは、なんといっても「いつでも」「どこでも」。
さらに、可能な限り「誰でも」を駆使できることにあります。
データはインターネット上にあるため、特定のパソコンに縛られることがありません。
どのパソコンからでも、あるいはスマートフォンでも、メッセージやデータを確認することが可能です。
電車などでの移動中や自宅など、ちょっとした細切れの時間を活用することが可能になります。
また、業務の切り分けやアクセス権限の設定をすれば、子育てや介護などで家にいなくてはいけない方にお仕事をお願いすることが可能になりますし、場所にもこだわらなければ全国の人の手を借りることも可能になります。
クラウド化の「効果」
時間や場所の制約がなくなる
時間や場所の制約がなくなるため、仕事の組立ての自由度が格段に増します。
仕事の種類にもよりますが、”特定の場所に集まらなければ仕事ができない”ことから解放されます。
移動時間もなくなるので、様々な事情で出社してフルタイムで働くことができない人材の活用も可能になります。
情報の共有が効率化する
関係者で、データやメッセージを常に共有しながらやりとりできます。
誰かが誰かに伝え、その誰かがまた別の方に伝える、などといった手間がより少なくなります。
また、データの共有も、誰かからもらったものをさらに誰かに渡す、といったことがなくなり、データの場所を共有しておきさえすればよいので、情報の共有がスムーズに行え、意思決定がスピードアップします。
クラウド化の実践方法としての「ワンクリックオペレーション」
クラウドを駆使して税理士業務を行って来られた廣升健生さんが、試行錯誤を重ねて確立したクラウド化後の業務の遂行方法が、「ワンクリックオペレーション」です。
そして、その「ワンクリックオペレーション」の内容をまとめた書籍が、「会計事務所クラウド化マニュアル」です。
「ワンクリックオペレーション」とは、連絡方法をクラウドのチャットツールなどを活用しながら、そこにクラウド上のデータ(フォルダ、オンライン版のエクセルやワードなどのデータ、クラウド会計データ)の場所のリンクを貼ることができることから、そこをワンクリックでやりとりをすることができるというもので、非常に効率的に仕事していくことが可能になります。
意識・価値観のクラウド化
まずは、考え方そのものをクラウド化の目的や効果に沿うものにしていく必要があります。
クラウド化を何のために行うのか?それによって具体的にどのようなメリットがあるのか?を、自分のなかで整理しておく必要があります。
例えば、これまで「原則:紙での情報共有、例外:保管庫としてのデータ」としていた思考を、「原則:データでの情報共有、例外:必要に応じて紙にプリントアウトにする」とするだけで、クラウド化の範囲が広がり、より様々な業務展開が可能となります。
コミュニケーションのクラウド化
コミュニケーション手段にクラウドツール(SaaS)を導入します。
特定のメンバーで仕事をするには、メールを使用するよりも、メンバーが固定され、これまでの流れが時系列で整理されているビジネスチャットを利用する方が効率的です。
具体的には、ChatWorkが代表的です。
高機能であるにこしたことはないのですが、”より多くの人と仕事すること”を目的に考えると、シンプルであることが一番です。
さらに、より幅広い年代の人とやりとりすることを考えると、より多くの人が利用しているLINEもいいかもしれません。
ただ、仕事のことをやりとりするには、①長文が見づらいこと、②プライベートエリアに仕事が入ってくること、などを考えると△な気がします。
情報共有のクラウド化
情報保管と共有の手段にクラウドツール(SaaS)を導入します。
オンラインストレージといわれるものですが、Dropbox、GoogleDrive、boxなどが有名です。
なかでも、GoogleDriveは使いやすいです。
”より多くの人と仕事すること”を目的とすると、Googleであれば親しみのあるサービスで誰でも知っています。
また、エクセルやワードのオンライン版が無料で使用することができ、フォルダに限らず、チャットなどにそのリンクを簡単に貼ることができることも魅力です。
もちろん、メールアドレスなどによるアクセス制限など、セキュリティ管理もできます。
人材活用のクラウド化
コミュニケーションや情報共有のクラウド化ができると、リモートワークや在宅勤務が容易にできるようになります。
”人材不足”と呼ばれて久しいですが、場所や時間の制約を取り払うことに加え、ツールもできるだけシンプルでみんな知っているツールを使うことで、ツールの制約を取り払うことができれば、様々な可能性が生まれてきます。
在宅でしか仕事できない方、フルタイムで仕事できない方、遠方にいる方など、幅広い人材を活用できます。
会計ソフトのクラウド化
経理や会計事務所に関しては、会計ソフトも、チャットなどにリンクが貼れて、ワンクリックで行けるのであれば、それに越したことはありません。
そうなると、クラウド会計ソフトの活用が効率的です。
クラウド会計ソフトであれば、”どの部分”とより具体的なページで情報のやり取りをすることができるからです。
「ワンクリックオペレーションコーチ」とは?
このクラウド化の手段としての「ワンクリックオペレーション」を、自分で理解するだけでなく、様々な人に展開していくためのコーチングを行うことができる存在として「ワンクリックオペレーションコーチ」があります。
これは、廣升健生さんがワンクリックオペレーションの内容の説明にとどまらず、「他者に展開するため」という視点で内容を組み直し、実践の方向性と具体的な実践に焦点を合わせた養成講座としての「ワンクリックオペレーションコーチ講座」を経るもので、先日、養成講座を経て、私もワンクリックオペレーションコーチとなりました。
クラウド化である限り、自分だけがクラウド化を知っているだけでは効果は非常に限定的で、これをいかに多くの人に展開していけるかが、業務効率化の鍵を握っています。
今後、特に、地方の中小企業の事務業務の効率化・経理のシンプル化、人材不足への対応、競争力の強化、などといったことへのひとつの解決策として、サポート業務を提供していきたいと考えています。