”売上を上げる”は、ごく具体的に考える②

ただ”売上を上げる”と考えてみても、打ち手がたくさんあり過ぎて逆に苦しくなってくることもありますし、より具体的な要素に分解して考えた方がよいと考えられます。

佐藤義典著「売れる会社のすごい仕組み」(青春出版社)を参考として。

目次

”売上”の要素を分解する

前回記事にて、”売上を上げる”では漠然としすぎていて何をどうしていいか分からないため、5つの要素に分解して考えていくといくとよいという話がありました。

「売上」の5つの要素
  1. 新規獲得(「数量」)
  2. 既存維持(「数量」)
  3. 頻度向上(「リピート」)
  4. 点数増加(「単価」)
  5. 単価向上(「単価」)

自社の戦略目標に向けて、具体的な行動を定める

また、バラバラにアイデアを出すのではなく、自社の差別化の方向性(戦略)に沿って、何をすべきか・何をすべきでないかを考える、という話があります。

売上5要素/差別化路線手軽軸
(利便性の追究)
商品軸
(高品質の追究)
密着軸
(個別対応の追究)
新規獲得積極的に追究なじまないなじまない
顧客維持なじまない追究積極的に追究
頻度向上追究やや追究追究
点数増加やや追究なじまないやや追究
単価向上なじまない積極的に追究やや追究

まずは自社の差別化の方向性(戦略)をしっかりと練る必要があります。

そのうえで、その方向性と一貫性を持った行動の目標(戦略目標)を定める、という流れになります。

手軽軸(利便性の追究)ですべきこと・避けたいこと

何よりも、まずは広告などで「新規獲得」に力をいれたいところです。

また、「頻度向上」のために、繰り返し来てくれるような仕組みづくり(ポイント、リピート割引)なども有効といえそうです。

一方で、「単価向上」は想定するお客様のニーズに合致しない場合も多いので、いったん後回しすることになりそうです。

商品軸(高品質の追究)ですべきこと・避けたいこと

想定するお客様のニーズは、”より高品質でより価値あるもの”というところに期待があります。

よって、「単価向上」に力を入れていくことが効果的といえます。

既存のお客様の声や期待も十分に吸い上げ、「顧客維持」「頻度向上」も大きなバロメーターになると思われます。

一方で、品質維持のためには、お客様の数をひたすら増やす「新規獲得」は後回しにすることになります。

密着軸(個別対応の追究)ですべきこと・避けたいこと

個別対応を極めることを考えると、「顧客維持」の観点から、既存のお客様のきめ細やかな要望をいかに吸い上げられるかの感性を磨き、改善に努めていくことになります。

そのなかで、「頻度向上」「点数増加」は大きなバロメーターになってきます。また、「単価向上」にもチャレンジする余地が生まれてきます。

一方で、新規のお客様の数をひたすら増やす「新規獲得」は後回しにしていくことになります。

できるだけ数字で見える化し、経過を見ていく

自社の差別化の方向性と、売上アップのための行動目標が定まったら、可能な限りで、実際の「数字」として集計し、定量的にしておけば、成果も見えやすくなります。

成果が見えれば、検証することも可能になってきますし、目標と実際との差に目を向けることも可能になってきます。

また、従業員への還元(賞与、昇給、評価)という道もより具体的に指し示していくことが可能となります。

売上・利益・給与などはすべて”数字”であり”お金”であるので、”数字”を無視して経営を進めていくとどうしても行き詰まりが生じてきます。

できるだけ数字で全体像を掴み、そこに、数値化できない要素もあわせて見ていくことが肝要といえます。

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