融資の際に担保を提供するべきか、どのような対応が考えられるか。
川北英貴著「銀行からの融資完全マニュアル」(すばる舎)を参考として。
目次
担保を差し入れるとどうなるか
融資の際に担保を差し入れるとどうなるのか。
- 返済できなくなると、銀行に差し押さえられ、換金・処分され、返済に充てられる
- 不動産の場合、自由に売却することができない(担保付不動産は売れない場合がほとんど)
- 現金・有価証券の場合、銀行に通帳などを預けることになる
もちろん、担保が不要なのであればそれに越したことはないと思われます。
担保を差し入れるべきかどうか
担保を差し入れるべきか、差し入れずに交渉すべきか、差し入れざるを得ないものか。
川北英貴著「銀行からの融資完全マニュアル」(すばる舎)では、シーン別での基本スタンスがまとめられています。
新たに融資の申込みをする場合
- 銀行より担保を要求される場合あり
- 担保なしで融資が受けられないか交渉したいところ
(担保なしで融資を考えて欲しい) - 担保がないと融資できないと言われた場合
→”希望融資額を減らす”・”希望返済期間を短くする”といった事項と比較検討する - 担保がないと融資できないと言われた場合→他の銀行を探してみる
- 担保はいざというときのために取っておく(苦しいときの融資の切り札)
- 言われるがままに担保提供せず、担保なしで融資できないか工夫してみる
リスケ(返済金額の減額・猶予)の申込みをする場合
- 銀行より担保を要求される場合あり
- 複数行と取引がある場合、特定行に対しての担保提供は、銀行間の不公平になる場合もある
- 上記の事情を話し、担保なしでリスケをお願いしているとの交渉をしてみる
会社の業績が悪化した場合
- 銀行より担保を要求される場合あり
- 担保提供しても、会社にとってのメリットなし
- 担保提供を断ると銀行への印象はよくない
- 代わりに、「経営改善計画書」を提出し、立て直しを具体的な形で話す
不動産購入資金の融資の申込みをする場合
- 不動産購入資金である場合、対象不動産を担保に入れるのが原則
- 担保回避のために無理に運転資金で借りようとすると、返済期間が短く、資金繰りが厳しくなる可能性高
当座貸越を設定する場合
- 当座貸越の場合、担保を入れる場合が多い
- 他の銀行に交渉してみる(担保なしで当座貸越が設定できないか)
- 他の銀行も担保なしでは当座貸越設定できない場合、担保提供は避けられない