債務者区分→信用格付→取引方針①

銀行の融資審査を知るには、債務者区分・信用格付を知っておく必要があります。銀行はそれをもとに取引方針を決めているからです。

川北英貴著「銀行からの融資完全マニュアル」(すばる舎)を参考として。

目次

”債務者区分”とは

債務者区分とは、銀行が、1999年に制定された「金融検査マニュアル」に基づき融資先企業を分類していくための区分で、リスクの度合いの高い度合いに応じてランクが定められています。

この「金融検査マニュアル」、2019年には廃止されましたが、各銀行とも、今でも、少なからずこのマニュアルを参考にしつつ融資実務を行っているとされています。

債務者区分

具体的には、以下のような区分となっています。

区分内容
正常先業績良好。財務内容にも問題なし。
要注意先貸出条件に問題あり/債務履行状況に問題あり/業況低調・不安定/財務内容問題あり
要注意先のうち要管理先債務履行を3ヶ月以上滞納/リスケや債権放棄を受けている
破綻懸念先経営難/再建計画の進捗状況芳しくない/経営破綻に陥る可能性高い
実質破綻先深刻な経営難/再建の見通しない/実質的な経営破綻
破綻先経営破綻

査定の物差し

銀行は、上記の債務者区分をもとにマニュアルを作成し、各融資先を査定しているといわれています。

具体的にどのような物差しでもって査定しているのか、大雑把にバロメーターを表現すると以下といわれています。

  • 損益計算書の経常利益の赤字度合い
  • 赤字である期数の連続度合い
  • 貸借対照表の純資産(実質純資産)のマイナス度合い
  • 融資の延滞状況、返済の減額・猶予の状況

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