銀行融資においては、信用保証協会の保証がついた「保証付融資」と、銀行が直接融資する「プロパー融資」とがあります。
川北英貴著「銀行からの融資完全マニュアル」(すばる舎)を参考として。
銀行融資の2タイプ
銀行融資には、大きく分けて、以下の2タイプがあります。
- 信用保証協会の保証がついた「保証付融資」
- 銀行そのものとの取引である「プロパー融資」(保証協会の保証がついていないもの)
保証付融資の特徴
信用保証協会とは
信用保証協会とは、信用保証協会法に基づき設立された公的機関です。
主に、中小企業・小規模事業者の円滑な資金調達を支援することを目的としており、全国47都道府県に1つ以上はあります。
例えば、長崎県であれば以下です。
信用保証協会・保証付融資の役割
銀行は、貸した資金が回収できないことを最も心配します。貸すのであれば、回収がより確実なところに貸そうとします。
上記の傾向を鑑み、信用保証協会は、創業したての会社・実績の少ない会社・小規模な会社なども円滑に資金調達できるよう銀行に対して保証をしていきます。
銀行としては、公的機関の保証があるのであれば、安心して融資することができます。
保証付融資の仕組み
銀行融資のなかで、この信用保証協会の保証がある融資のことを「保証付融資」といいます。
「保証付融資」においては、銀行が事業者にお金を貸す際に、信用保証協会が80%~100%の割合で保証をしてくれます。
事業者は、信用保証協会が保証をしてくれる代わりに、保証料を支払います。
自治体などによっては、地域の創業等を促進するために様々な「制度融資」を準備しており、この保証協会に対する保証料の全部または一部を負担するような仕組みのものもあります。
もし何かあった場合には、信用保証協会が銀行に対していったん代わりに返済をして、あとは、信用保証協会と事業者との間でやり取りをすることになります。
保証付融資の特徴(プロパー融資との関係)
- 保証してくれることで、銀行が実績の少ない事業者に対して資金が貸しやすくなり、審査のハードルが下がる。
- プロパー融資よりも、返済期間を長く取ることができる場合が多い(運転資金:7~10年)。
- プロパー融資に比べて、通常の利息のほかに、保証協会への保証料が発生する。
信用保証協会を利用可能な事業者の要件
信用保証協会を利用するには、事業者の要件があり、基本的には中小企業であることが要件になっています。
(各信用保証協会によって異なる場合あり。)
規模
業種 | 資本金 | 従業員 |
---|---|---|
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
小売業 | 5000万円以下 | 50人以下 |
製造業・建設業等 | 3億円以下 | 300人以下 |
飲食業 | 5000万円以下 | 50人以下 |
サービス業 | 5000万円以下 | 100人以下 |
所在地
各信用保証協会の管轄地域に、その法人の本店所在地・事業所(個人事業主の場合、住所または事業所)があること。
業種
- 農業
- 林業
- 漁業
- 性風俗関連業
- 金融業
- 宗教法人
- NPO法人を除く非営利団体
- LLP
- 必要な許認可・届出を受けていない事業者
- その他、信用保証協会が支援が難しいと判断する業種
信用保証協会が保証できない資金
- 転貸するための資金
- 子会社設立ための株式引受資金(必要不可欠と認められる場合を除く)
- プロパー融資からの切替資金
- 対応可能業種と対応不能業種を兼業している場合で、対象可能業種に使用されることが明確でない場合
- 事業外資金(個人住宅、営業外車両、婚礼、生活など)