相手の役に立てるように、話の流れを工夫する

経営数字はあくまで数字で、その数字を作り出すのは”人の思い”だと思います。

経営数字をベースとして、生まれ出てくる発想のキャッチボールが無駄にならないような工夫をするようにしています。

コーチ・エィ「コーチングの基本」(日本実業出版社)、キャッシュフローコーチとして考えたことを参考として。

目次

経営数字の”おおもと”と”先”

なんとなくの雑談のなかに、実は自分にとって重要な要素が詰まっていたということは、えてしてあります。

普段は自分のなかだけでもやもやとしている思考回路は、誰かと話をして言語化・アウトプットすることによって、自分の現状や考えを客観視する機会を得ることができます。

客観視した後に、思考回路はブラッシュアップされ、より自分の行きたい方向に向けて判断・行動していくことができます。

事業を行っている人にとって、「経営数字を見る」という行為は、経営に関する様々な自分の”思い”を想起させてくれるよい機会でもあります。

経営数字のおおもとは経営者の”思い”ですし、経営数字を見ることによって、その”先”を考え、頭の整理をすることができます。

スタンスは様々なのでしょうけれど、「経営数字を見る」ことによって想起させてくれるあれこれを、雑談で終わらせることなく、少しでも漏れなく、相手のお役に立てるようなサポートをするようにしています。

”話の流れ”を意識しながら、相手の話をよく聞き、質問する

コーチ・エィ「コーチングの基本」(日本実業出版社)や、キャッシュフローコーチとして、そのようなサポートをするための”話の流れ”を整理してみました。

相手の話をよく聞き、相手のことをよく知る

話の流れを意識するそれ以前に、全般的に超重要なこととして、自分起点に進めないことだと思っています。

相手のお役に立ちたいと思うことは重要だとしても、そのための手段や結果まで固定して相手と話してしまうと、自分起点になってしまい、本末転倒になってしまいます。

手段はあくまで選択肢であって、選択肢ゆえに、”いつ選択するのか”は相手のタイミング・相手起点であるべきかと思います。

すべてにおいて、相手の話をよく聞かなければ何も分かりませんし、知ることができません。

理想・目標を明確にしていく

得たい理想・目標のために、人それぞれ歩みを進めています。

そのような理想・目標を常にうまく言語化できればよいのでしょうが、実際には自分の頭のなかで漠然としていることのほうが多いものです。

理想・目標は、”イメージ・感覚”として浮かび上がってくることが多いからかもしれません。

自分起点で相手の目標を設定しても、結果、相手は”自分ごととして”意味を感じないので、すぐに形骸化してしまいますし、相手も苦しい思いをしてしまいます。

相手起点で、何が理想の状態なのか、目標とする状況なのかを明確にしていきたいものです。

質問例
  • 理想の状態・目標はどのような状態・状況ですか?
  • 何のために、その目標を達成しないのですか?
  • 目標を達成することで、何を得ることができますか?

現状を明確にしていく

現状も、モヤモヤと感じていることがそのままになっていることが多いものです。

言語化しているうちに、自分でも表面的に認識していないことなども分かってきます。

そのためにも十分に現状認識を明らかにしたいものです。

質問例
  • 理想の状態を100点とすると、現状は何点ですか?
  • 目標を達成するために、これまで取り組んだこと、今取り組んでいることは何ですか?
  • 取組みの結果、これまでにどんな変化がありましたか?
  • 周りの評価はどんな感じですか?

ギャップの背景を考える

”やらなければならないと分かっているのにできない”の原因を、一緒になって考えていく姿勢が必要とされる場面です。

質問例
  • ギャップの原因は何と考えられますか?(”なぜ”は責めるニュアンスに聞こえるので使わないようにする。)
  • 課題は何と考えられますか?
  • 周りの方が認識している課題は何と考えられますか?
  • どのような条件(あり方、行動、能力、環境)が整えば、できそうですか?

行動の方向性を考える

「理想」と「現状」、そしてその「差(ギャップ)」を、あくまで相手にとっての”自分ごと”として考えてもらうことができれば、その差を埋めるための行動を一緒に考えていくことができそうです。

質問例
  • いつ、どこで、誰に、何を、どのように実行していけそうですか?
  • 今日からまず始められることは何ですか?
  • 次回の打合せまでにできそうなことは何ですか?

”健康的な強制力”も活用する

目標設定も行動も、本来的には強制的にやらされるものではありません。

しかしながら、人間、何らかの「ペースメーカー」があった方がよいときも往々にしてあります。

定期的な打合せが、ペースメーカー(健康的な強制力)として機能できるのであれば、そのようにして進めていくと、一歩一歩進んでいっている感覚が掴めるのではないかと思います。

質問例
  • 今日話していくテーマは何にしますか?
  • 前回から、何か変化はありましたか?試してみたことなどありましたか?
  • 次回までに、行動してみたいと考えた事項はありましたか?

まとめ

いつもと違う角度から経営を見る機会として、経営数字を見る機会があります。

いつもと違う角度から経営を見る機会のなかから、いつもと違う発想・イメージが生まれえますし、そのイメージを、お話や質問から、大事に育てていくような姿勢でいたいと考えます。

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