定期的な打合せにおいて、「双方向」「継続的」「個別対応」を心がけるようにしています。
このうち、「継続的」に関わるために気をつけるべきことをまとめてみました。
コーチ・エィ「コーチングの基本」(日本実業出版社)、キャッシュフローコーチとして考えたことを参考として。
長期目標は見失いがち
日々色々なことがあります。
最初に長期的な経営目標を立てても、日々変化する環境に対応しているうちに、長期目標のための努力は優先順位が下がってしまい、対応が後回しになってしまいがちです。
モチベーションが下がってしまったり、違う方向にズレてしまったりすることで、当初自分ひとりで目標を立てたとしても、なかなかその目標管理を自分ひとりで維持・貫徹していくのは至難の業です。
しかし、第三者との定期的な打合せの機会を、いわば”健康的な強制力”として持つことで、長期目標に引き続き向かっていきやすい状況を作ることができます。
定期的に一緒に考える機会を持つ
定期的な打合せの機会を持つことは、無駄なこととは思えません。
相手の長期的な目標の達成をサポートするために重要な意味を持っており、その打合せの質を上げるためにも、内容を工夫していきたいところです。
各ポイントで、相手のペースやフォームの軌道修正を図りながら、どこに向かって走っていくべきか、改めて一緒に考える場にしていくことができれば、相手も目標を見失うことなく進んでいくことができます。
継続的に関わるときに必要な観点
継続的に関わっていくにあたって、どのような場づくりをし、どのような工夫を心がけていけばよいか、コーチ・エィ「コーチングの基本」(日本実業出版社)を参考にしつつ、まとめてみようと思います。
”マズローの欲求5段階”の流れに沿う
”マズローの欲求5段階”とは、アメリカの心理学者マズローの説で、人間の成長過程とその欲求を5段階に分け、人間は段階的により上階層の欲求を目指すようになる、というものです。
最終的な長期目標は、「自己実現の欲求」に近いところにあります。
また、「生理的欲求」「安全の欲求」については、現代社会ではある程度満たされた状態にあるため、
対話のなかで重視して考えるべきは、「所属の欲求(受け入れられたい、認められたいという欲求)」と「承認の欲求(賞賛されたい、尊敬されたいという欲求)」ということになります。
「所属の欲求」(受け入れられたい、認められたいという欲求)を掘り下げる
具体的には、「相手の存在そのものを認める」ということです。
もっと具体的に落とし込んでいくと、「変化に気がつき、伝えること」といえます。
前回と今回とで少しでも変化していること・達成できていることがあれば、しっかりとそれを伝えることにより、相手は普段の多忙ななかで実感が持てずにいたことでも、自身の成長に気がつくことができ、さらにその先への努力へと安心して進んでいくことができます。
あいづちやリアクションにおいても、”話をきちんと聞いています””何でも聞かせてください”との心を込めるだけでも随分違います。
また、これは相手の言葉だけではなく、非言語面での情報(表情、声など)の変化も、きちんと拾うよう心がけたいものです。
「承認の欲求(賞賛されたい、尊敬されたいという欲求)」を掘り下げる
具体的には、「ほめる、相手からの”よい影響”をしっかりと伝える」ということです。
すごい、助かった、などといった言葉は、使い勝手のよいものなので、大げさになればなるほど、効果はむしろ逆になってしまいます。
”賞賛”がきちんと相手に伝わるようにするには、以下のような具体的な言い方も取り入れながら、相手に最も伝わると思う方法で工夫していきたいものです。
- 「あなたの○○によって、私は~という好影響を受けました」(相手によって、自分が感じたことを伝える)
- 「あなたの○○によって、場(会議の場、会社全体など)は~という好影響をを受けました」(相手によって、自分たちが感じたことを伝える)
フィードバックする
フィードバックはアドバイスとは異なるということに留意したいところです。
すなわち、相手に何かをすべきである、ということを伝えるのではなく、”事実をタイミングを誤らず伝える”ということです。
具体的には、目標の達成度合いなど、事実関係をありのままに言語化し、認識を促す意図があります。
かつ、相手がフィードバックを受け入れる体制になっているタイミングで伝えなければ、相手に届きません。
リクエストする
状況によってですが、次回までに相手にしておいて欲しいことを決めていく、というものです。
その場合、あくまで、どのような選択肢があるか、できるだけ新しい視点で話しながら、選択肢を増やす目的で話し、最終的には相手の主体性を尊重するような姿勢で決めていくのがよさそうです。
相手のことを分かっていく
相手が何に興味があって、日々何を思っているのか、どんな課題意識を持っているかをよく観察し、定期的に会うなかで、しっかりと把握していくことが、あくまでベースになります。