人は、自分の話をよく聞いてくれる人の言うことをこそ聞いてくれる。
逆説的ですが、とても説得力のある言葉だな、と思いますし、とても好きな言葉です。
東山 紘久著「プロカウンセラーの聞く技術」(創元社) から学んだことです。
話さなきゃ、と思っていた時代
昔は、話すことが苦手でした。
何を話していいか分からないですし、うまく話を組み立てられません。
話し上手になるための本などを読んでみましたが、やはり苦手であることは変わりませんでした。
それでも自分の周りにいる人のことは大切に思っているし、話せないからといって相手に興味がないわけではない。
自分が相手を大切に思っていることが伝わる手段が何かないかを考えたとき、手に取った本が、東山 紘久著「プロカウンセラーの聞く技術」(創元社) でした。
書籍の表紙にあるタイトルの英名がとても面白いです。
「The Art of Listening」
「聞く技術」は、”聞くテクニック”でなく、”聞くということの熟練・わざ・専門技術なのだ”と。
この本は発行されてから20年ほど経ちますが、僕のなかでとても好きな本です。
この本を読んだ後、「話し上手になれないなら聞き上手になろう」、と密かに決意したのでした。
「聞く」に徹してみる
聞き上手になるためには、まずはゆったりと構えなければなりません。
相手が話しやすい雰囲気を作らなければなりません。
また、相手の話を、素直に中立的に共感的に理解しなければいけません。
言葉にするとたった3行ですが、これは非常に難しいことだと思いますし、エネルギーが必要だな、と思います。
ある意味不思議なことですが、人は、自分の話をよく聞いてくれる人の言うことほど、人はよく耳を傾けてくれます。
自分の言いたいことだけを言う人の言うことは、人はなかなか聞かないものです。
自分の思いが伝わる
僕は話し下手ではありますが、大切にしたい相手に対して大切に思っていることを伝えるため、「聞く姿勢」を取ります。
「聞き流す」ではなく、「聞く」ですから、相手の話を十分理解しようとしつつ、たまには分からないことを質問したりしながら、素直に中立的に共感的に、聞くようにしています。
不思議なことに、言葉は多く要らないのだと気づきました。
いざ、自分が伝えたいことは、言葉が少なくても、相手は聞いてくれるし、思いは伝わります。
※晴れた日の出島ワーフ