「指示命令」と「コーチング」は異なるもので、それぞれは万能でないため、違いをきちんと理解しておくことは有用です。
コーチ・エィ「コーチングの基本」(日本実業出版社)を参考として。
目次
指示命令には限界があり、また、コーチングにも限界がある
課題の解決について、緊急性を優先しなければならない場合、より端的で明確な「指示命令」が適しています。
しかし、「指示命令」には限界があります。
常に端的で明確であればよいのですが、特に大きな組織で仕事している場合、マネジメント職が、それぞれの部下の実務やその分野の最新情報を、詳細に理解しているということは事実上難しく、よって、端的・明確な指示命令を出すことが難しくなります(かえって混乱をきたすことすらあります。)。
一方、「コーチング」は、緊急性がなく、多少時間がかかりつつも成長を促すようなものなので、緊急性を優先しなければならない場合には適していません。
それぞれが効果的な場面を理解しておく
「指示命令」が効果的なのは、”緊急、かつ、重要”な場面です。
一方、「コーチング」は、”緊急ではないが、重要”な場面です。
緊急性はなく、例えば、それぞれの部下が、日々実務を行うなかで蓄積していくものを有機的に結合させ、自発的に、より成長していけるようなサポートにおいて、効果を発揮するものです。
対応の幅を持っておく
相反するともいえる「指示命令」と「コーチング」は、それぞれ機能の異なるものです。
それぞれ特徴があり、効果的となる場面を持っています。
それぞれの特徴をよく理解しておくと、自分自身の対応の幅を持つことができ、柔軟性を高めることができるといえそうです。