自社の差別化の方向性によっても、お客様が購入するまでのプロセスのうち、どこを優先して検討すべき打ち手なのかも変わってきます。
佐藤義典著「売れる会社のすごい仕組み」(青春出版社)を参考として。
お客様が購入するまでのプロセス
自社の商品・サービスを知らないお客様が、初めて知ってから、購入し、リピートに至るまでのプロセスを知っておきたいところです。
これに関して、佐藤義典著「売れる会社のすごい仕組み」(青春出版社)の「マインドフロー」はとても参考になります。
まずは知ってもらわなければ、機会が訪れません。
ニーズを感じなければ、興味を持ってもらえないことになります。
興味を持ってもらえても、その後の反応(問合せしてみる、来店してみる、資料請求する、HPを見るなど)に繋がらなければ、選択肢に挙げてもらえないことになります。
選択肢のなかで比較検討した結果、競合に比べて、メリットを感じてもらわなければ、購入に至らないことになります。
購入しようとして、購入できない何らかのハードルがあると、購入に至ってもらえないことになります。
購入しても、十分に使うに至らない何らかのハードルがあると、満足してもらえないことになります。
使ってみて、満足してもらえなければ、継続ないしリピートしてもらえないことになります。
リピートしてもらえなければ、自社やその商品の信用向上・事業継続の安定性に繋がらないことになります。
”具体的に”考える
”なぜ売れないのか”と考えてしまうと、漠然としすぎていて、具体的な原因が分かりづらいどころか無駄に自分を責めてしまうことにも繋がります。
これをより具体的に考えていくことで、建設的な思考をすることができます。
お客様が購入するまでのプロセスのうち、どこの部分に原因があるのかが分かると、より絞ることができます。
滞りのあるプロセス | 思考 |
---|---|
認知(知る) | なぜ知ってもらえていないのか? →知ってもらうためには? |
興味(興味を持つ) | なぜ興味を持ってもらえないのか? →興味を持ってもらうには? |
行動(調べる) | なぜ手に取ったり、問合せたりしてもらえないのか? →より気軽に問合せしててもらえるには? |
比較(比較して検討する) | なぜ競合との比較のなかで、選んでもらえないのか? →競合との違いを出すには? |
購入(購入する) | なぜお試しでも購入してもらえないのか? →まずは気軽に買ってもらえるようにするには? |
利用(体験する) | 購入後、なぜ利用してもらえなくなっているのか? →購入後、利用へのハードルを下げるには? |
愛情(満足する) | なぜ満足してもらえないのか? →商品の満足度を上げるには? |
リピート |
自社の差別化の方向性によっても違う
”どこから手をつけるべきか”は、自社の差別化の方向性などによっても異なってきます。
自社の差別化の方向性から考える
利便性を追究していくには、より多くのお客様の意見を取り入れ、回転率を上げていくことに重要度が高いことから、上のプロセスを優先した方がよいと思われます。
一方で、個別性を追究していくには、既存のお客様の満足度を上げ、よりリピートしてもらう点に重要度が高いことから、下のプロセスを優先した方がよいと思われます。
基本的には下のプロセスから
特に利用度や満足度に問題がある場合、上のプロセスをどれほど頑張っても結果に繋がりにくいため、下のプロセスから見直していくことが基本になってきそうです。
また、数多くの潜在顧客に訴えかけるよりも、足元の既存顧客の方が数も少なく、イメージもしやすく、1人・1社ごとに
自社の状況を当てはめてみる
プロセスに、具体的な自社の状況を並べてみると、どこが弱いのか・何に手を打つべきかがより明確になってきます。
プロセス | 自社の状況 |
---|---|
認知(知る) | 顧客ターゲット群に対して、自社の名前をどれほど知られているか? |
興味(興味を持つ) | 顧客ターゲット群に対して、自社がどのような会社か、どれほど知られているか? |
行動(調べる) | 顧客ターゲット群に対して、自社がどの程度具体的に接触を持ったことがあるか? |
比較(比較して検討する) | 顧客ターゲット群に対して、自社がどの程度具体的な商品・サービスの説明をしたことがあるか? |
購入(購入する) | 過去に少しでも取引のある会社は、どの程度いるか? |
利用(体験する) | 過去に少しでも取引のある会社のうち、直近では、どの程度取引を継続しているか? |
愛情(満足する) | 今現在取引のある会社の状況はどうか? |
リピート |