ワンクリックオペレーションでは、これまでの業務を根本的に考え直した上で、改めてこれからの業務に必要か必要でないかを問い直していきます。
なかでも、見直したいこととして、「なぜペーパーレスが進まないか」です。
ワンクリックオペレーションって何?ということについては、以下記事をご参照ください。
※本ブログ中の図は、ワンクリックオペレーションの考案者である廣升健生先生の図を許可を得て加筆訂正して使用しています。
情報伝達の効率化としてのワンクリックオペレーション
紙での情報伝達とワンクリックオペレーションとの比較
ワンクリックオペレーションを一言でいうと、「情報伝達の効率化」である、といえます。
まず、紙での情報伝達とワンクリックオペレーションとを比較してみます。
紙での情報伝達は、紙で必要な資料をまとめ、相手に渡し、内容を伝達し、情報を共有します。
一方、ワンクリックオペレーションでは、ビジネスチャット(LINEのビジネス版のようなもの。Chatworkなど。)に、資料を保存しているクラウド上のフォルダ(GoogleDrive)のURLリンクを貼り付けて提示します。
受け取った側も、リンクをワンクリックすれば、すぐに資料を見ることができます。
チャットにリンクが貼ってあるってどういう状態?
Chatwork(PC版)で資料を渡した場合の画像です。
携帯電話にChatworkを入れることができ、見ることもできます。
ワンクリックオペレーションによる情報伝達の特徴
送る側も、送られる側も、準備する手間がありませんし、探す手間もありません。
まして取り違えることもありません。
GoogleDriveでは、資料が入っているフォルダのリンクを貼ることができるからです。
例えると、「どこでもドア」を使うことができるので、地図を準備したり、場所に迷ったり探したりする無駄がなくなるのです。
最大の特徴は、データで送るので、場所や時間の制約から解放され、よりスピーディーで効率的な業務の遂行が可能となります。
このようなことが、たった2つのクラウドのツール(ChatworkとGoogleDrive)を導入するだけで、行うことができます。
なぜ紙なのか?を考える
紙の方が効率のよいと直感的に考えている部分がある?
すでに仕事でもプライベートでも、パソコンやスマホを持ってさえいれば、メールやLINEなどで、ホームページなどのリンクなどを貼り付けて、情報を伝えるといったことはよく行われています。
また、ペーパーレスなどといった言葉も、言われて久しいものです。
しかし、なかなかペーパーレスは進みませんし、紙での業務はなくなりません。
なぜでしょうか?
もちろん、ITの知識が不足しているなどの事情もあるかもしれません。
しかし、それ以上に、私たちは、どれだけITが発達しても紙の方が効率がよいと直感で理解している部分があるからです。
紙の方が効率的なのであれば、その紙の業務は残した方が全体としての効率はよいことになります。
無理矢理すべてをペーパーレスにする必要はない
重要なことは、業務効率化を考えるときに、ペーパーレスにして時間や場所の制約から解放された方が効率化するということはいうまでもありません。
全ペーパーレスに無理矢理こだわる必要もなく、紙の業務の方が効率がよい場合があるのならば、その紙の業務は残した方が、全体として効率化する、と考えることだと思います。
「紙」の威力と慣習
これまでの紙の役割を考えてみると、以下の2つの要素で成り立っているといえます。
- 情報伝達する媒体としての役割
- チェックする媒体としての役割
このうち、情報伝達する媒体として担っている役割は、紙よりもメール・チャット・データなどの方が効率的であるといえます。
データをわざわざ紙出力して、場所や時間の制約とタイムラグがありながら業務を遂行するのは非常に非効率です。
ただ、その場合でも、一定の場所と時間を決めて、じっくり思考を固めて、アイデアを出し合う場合では、ときに紙に落とし込んで物事を考えた方が効率がよい場合もあると思います。
また、文章を校閲したり、数字の関連性をチェックしたりすることについては、データより紙の方が効率がよいと感じることが多いのではないかと思うのです。
これらは、同じ情報でも、データで見るのと紙で見るのとでは、頭への入り方が違う、と直感的に感じることが多いからではないかと思います。
どういう場合に、紙が非効率なのか効率的なのかを改めて洗い出す
メールやチャットが便利なものであり、データ共有も簡単にできる現在、紙ですべての業務を行うことは効率がよくないといって差支えがない。
一方、紙での業務も効率がよい場合がある。
よって、地道に一つ一つの業務を洗い直し、どうしたら効率がよくなるかを検討することが、業務効率化の一番の近道といえそうです。
発想を転換する
チェック媒体としての紙の業務を効率的に行うために、発想の転換をする
チェック媒体としての紙の役割は強固ですが、ワンクリックオペレーションを活用し、かつ、発想の転換をすれば、業務の効率化を図ることが可能です。
例えば、会計事務所業界でいけば、申告書などの書類チェックの業務があります。
このチェック業務を、無理矢理ペーパーレスにして、伝達のみをメールやチャットで行うと、以下のようなことが起こります。
チェックに出す側は、データで作成したものを紙で揃えなくてよい分、時間短縮し、業務効率が上がるかもしれません。
一方、チェックに出される側は、どこにどのような資料があるか分からず、まずチェックのために必要な資料を揃えるところから、膨大な時間を要してしまいます。
これでは、全体の業務は非効率です。
ここで、ワンクリックオペレーションを活用しながら、発想の転換をしてみます。
原則と例外を転換し、かつ、ワンクリックオペレーションを活用することにより、チェックする側もチェックされる側も全体として、業務の効率化を図ることができます。
つまり、ワンクリックオペレーションを原則とすることによって、チェックする側とされる側は、時間と場所の制約から解放され、効率的に業務を遂行することができるようになります。
発想の転換のイメージ図
つまり、以下のように発想を転換するということです。
「情報を渡して見てもらう」→「情報を見に来てもらう」
ワンクリックオペレーションで可能となる業務効率化(まとめ)
ワンクリックオペレーションは、情報伝達の効率化です。
かつ、ワンクリックオペレーションを活用して効率化するには、そもそもの発想の転換が必要です。
情報伝達の煩雑さを一掃するための仕組み
以下のように、ワンクリックオペレーションを活用することにより、資料を動かす必要がなくなります。
関係者でメール添付などの方法で資料を動かし合った場合、同じ情報を均一に共有することが非常に煩雑です。
一方、ワンクリックオペレーションを活用すれば、同じ情報を均一に共有することは非常に簡単です。
発想を転換する
つまり、クラウドを使って業務の効率化を図るためには、発想を転換する必要があるということになります。
特定のサーバーに保管してある資料をピックアップし合って情報を共有しようとすると、同じサーバーを使用している者同士ですら情報を共有することが煩雑であるほか、場所や時間やメンバーに関して、大きな制約が生じます。
一方、ワンクリックオペレーションを活用すれば、情報の共有が容易となり、かつ、時間・場所・メンバーの制約からも解放されます。
紙資料の「役割」を整理する
一度、紙の「役割」を整理してみるとよさそうです。
紙資料別に、①誰と、②内容、③情報伝達なのかチェック媒体なのか、を整理すると、どのような形でクラウド化することができるのかの答えが出ると思います。