関わる各々の人が、自発的に考えて、行動に結びつけてもらうようにするための大前提として「安心・安全・ポジティブ」であること、が挙げられます。
和仁達也著「コンサルタントの対話術」(かんき出版)を読んで学んだこと、キャッシュフローコーチとして感じたこと。
”自分ごと”と捉えて、考え、行動していくためには
誰しも、物事を”他人ごと”と捉えるか”自分ごと”と捉えるかによって、受け止め方というものがまったく異なるものになります。
他人から与えられた目標には一生懸命になれなくても、自分で決めた目標なら一生懸命になれます。
他人から与えられるのではなく、自分で決めることで、自発的に考え、行動も加速していきます。
経営などにおいて、”組織全体がそのようになれば”と考える方も多いように思います。
そのような会議・打合せの場にするにはどうしたらよいのか。
重要な基礎として、「安心・安全・ポジティブ」かどうかが挙げられると思います。
反対語をイメージするとよく分かる
「安心・安全・ポジティブ」 であることが必要かどうか、ということを考えてみるとき、しっくり来るのは、反対語を思い浮かべてみるときです。
「不安・危険・ネガティブ」
このような状態では、誰も自発的に考えることはできませんし、怖くて行動することもできません。
一方、 「安心・安全・ポジティブ」であれば、まずは考えてみよう・やってみよう、という気概にもなります。
最初はうまくいかなくても、各々が”自分ごと”として捉え、自分で決めた目標のために、自分で考え自分で行動していく限りにおいては、可能性の芽がたくさんありそうです。
具体的に何を意識すべきか
「安心・安全・ポジティブ」 がよいとはいえ、では、具体的に何をどのようにすればそのような場にしていくことができるのか。
和仁達也著「コンサルタントの対話術」(かんき出版) の具体的な行動指針はとても参考になるものでした。
1)表情、話し方
緊張したり、真剣になったりすると、人間、自然と顔が強張ってしまって、怖い顔になったり、険しい表情になります。
これは自然な流れなので、意識しなければ改善されることがありません。
表情柔らかく、喜怒哀楽が出るといいと思いますし、感情のこもった抑揚ある話し方を心がけたいものです。
2)肯定語
人間、自然と普通の会話をしていれば、肯定語も出てくれば否定語も出てきます。
これも意識して、「否定語」を最小限にして、「肯定語」を増やしていくようにしたいところです。
人は否定されるといい気持ちがしないですし、肯定されると嬉しい気持ちになるということが基本にあると思うためです。
3)前置き
会議・打合せの場で、適切な前置きをしながら進めていくことも大事だといえそうです。
相手はニュートラルな気持ちで参加しています。
ニュートラルであるがゆえに、悪気なく発言したことに対して、望ましくないと注意されてしまうと、”先に言ってよ”という気持ちにもなります。
どのような発言をすると場の雰囲気が壊れてしまうか・望ましくないのか、どのようにして欲しいのか、ということを例示などを使いながらさりげなく前置きしながら進めていくことで、スマートに収めていくことができます。
4)相手に話してもらう
「話す」という行動は、最も話す人の頭を使いますし、その人のなかでストーリーができあがっていき、自発性・行動に繋がっていきます。
よって、「相手にいかに話してもらえるか」が重要といえます。
つまり、それを逆算し、こちら側が意識すべきは、「相手に話してもらうには、どのような言葉を投げかければよいか」ということになります。
5)相手に恥を欠かせない
様子見の雰囲気のなかで場を持たせようと勇気を持って発言してくれる方もいます。
その”勇気ある発言”、場を持たせようを気を使って絞り出したアイデアであったりすると、不完全でちぐはぐな場合もあります。
しかし、その後の流れへの貢献(発言してもいいのだという雰囲気にしてくれる)もあわせて考えると、その発言は意義ある重要なものであることが多いものです。
その発言を無下にしてしまうと、誰も発言してくれなくなってしまいます。
不完全な発言なのであれば、説明不足など、投げかけたこちら側の責任であることも考えられますし、まずはこちら側の不備(説明不足、分かりづらい説明であったこと)をお詫びしながら、相手に恥をかかせないという意識が重要といえます。