話す側からすると、用件や提案がまとまるとそれしか見えなくなり、単刀直入に話してしまいがちですが、聞く側が初めて聞くような内容の場合は特にうまく伝わらない場合がたくさんあります。
和仁達也著「コンサルタントの対話術」(かんき出版)を読んで学んだこと、キャッシュフローコーチとして感じたこと。
前置きトークとは
大事なこと・大きなこと・提案などを話すとき、話す側は様々なことを思案した挙げ句、そのことをまとめ上げているので、ともすると、それをそのまま単刀直入に聞いてしまいがちです。
しかし、聞く側は、初めて聞く場合・普段考えていないようなことを聞く場合は特に、戸惑いますし、意図を測りかねて構えますし、警戒するものです。
このようなことを避けるために、 大事なこと・大きなこと・提案などを話すときには、聞く側の心情を十分に考えた上で、本題の前の「前置き」を考えた方がよいといえます。
この前置き、和仁先生の場合は、日頃からその重要性を自然な形で意識しやすくなるよう、”前置きトーク”と名前を付けられています。
前置きの意味・効果
大事なこと・ 大きなこと・提案などは、相手にとって”「意図」を図り難い”という性質を持っています。
単刀直入にそれを話した場合、聞く側は、その意図が分からないため、話を聞きつつ色々とその意図を探っていくことになります。
そしてその意図が掴めない場合、”この人はなぜこのようなことを言うのだろうか”と、警戒する気持ちが強くなり、聞く姿勢をもって聞くことができなくなり、結果として、話す側の意図が伝わらないことにも繋がります。
よって、「なぜそれを話すのか・質問するのか」を前もって話すといったような、”本題の前に意図を明らかにする”ことには意味があります。
聞く側も、最初に意図を明かされていれば、その意図に沿って聞いてくれ、考えてくれるといった効果があります。
前置きの目的3つ
心構えをつくる
聞く側に、聞く姿勢(心構え)を持ってもらう、という目的が考えられます。
この「前置き」を考えるためには、以下のことを勘案し、組立てをしていく必要があります。
- 前もって想定される先方の誤解をなくすための”予告”を考える
- 自分の立ち位置を明言する
- 自分に、思ったこと・提案があるということを”予告”する
効果の最大化
効果を最大化するため、という目的が考えられます。
いきなり内容を伝えるよりも、以下の「前置き」をした上で伝えた方が効果が伝わりやすい場合が多いと思われます。
- どのような実績があるのか
- どのような効果があるのか
- 誰が行うのか(その”誰”に実績等があれば)
事前期待の適切化
内容を先に話すと、様々な解釈が成り立つので、本来のその”内容”と、相手の”期待”とがズレてしまうことも考えられるので、それを防止するという目的も考えられます。
本題の前に、範囲があり、できること・できないことがあることを事前に伝えておくことも重要だと思います。