デジタルインボイスが導入されると、クラウド会計ソフトはどのように対応すると考えられるのか。
戸村涼子著「クラウド会計を活用した電子帳簿保存法対応の実務」(日本法令)を参考として。
デジタルインボイスとは
「デジタルインボイス」とは、請求書などの取引情報を電子文書としてネットワーク上でやり取りしようというものです。
国際的な標準規格としては「peppol(ペポル)」というものがあります。
もともと欧州域内における公共調達の効率化を目的としてスタートしたもので、日本でも導入に向け、EIPA(デジタルインボイス推進協議会)が中心となり、開発が進められています。
デジタルインボイスを使用することができるようになれば、売り手と買い手は所定のデータベース上に格納されたインボイス情報をアクセスポイントを介してデータとして送受信することとなり、そのデータをもとに経理の効率化も進むものと考えられます。
クラウド会計ソフトベンダーの動向(2023年4月現在)
freee、Moneyfowordともに、請求書(インボイス)の交付にあたって、メールや郵送に加えて、Peppolに対応する方針を発表しています。
デジタルインボイスと電子帳簿保存法とクラウド会計ソフト
現段階ではどのようになるかは明確な部分もありますが、戸村涼子著「クラウド会計を活用した電子帳簿保存法対応の実務」(日本法令)での解説を参考にすると、以下のようになると思われます。
デジタルインボイスの発行
クラウド会計ソフトおよびそのシリーズで、デジタルインボイスとして発行したとした場合、電子帳簿保存法における「書類の電子保存」を満たすものと考えられます。
デジタルインボイスの受取
Peppolを通じてクラウド会計ソフトで受け取る場合
Peppleとクラウド会計ソフトとを連携することで、Peppolを通じてクラウド会計ソフトへとデータを取り込む機能が実装される可能性が考えられます。この場合、電子帳簿保存法における「電子取引保存」に基づくものと考えられます。
PDFをクラウドストレージ・メールなどで受け取る場合
請求書をPDF化し、そのPDFをクラウドストレージまたはメールで受け取るとした場合、電子帳簿保存法における「電子取引保存」に基づくものと考えられます。