目標(お客様の層)を定め、何(どのような感情)を届けるのか、が決まったら、「どのように届けるか」を考えることになります。
森岡毅著「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方-成功を引き寄せるマーケティング入門-」(角川書店)を参考として。
「目的→目標→戦略→戦術」の順番で考える
経営の打ち手を決める際、「目的→目標→戦略→戦術」の順番で考えていく方が望ましいとされています。
つまり、自社のミッション(目的)を掘り下げたうえで、誰に(目標)、何を(戦略)、どのように(戦術)売るのか、という順番で考える、ということになります。
「目的→目標→戦略→戦術」 で考えるにあたっては、前提として、まずは”自社を取り巻く環境”を正確に把握しておく必要がありました。
戦術=お客様へどのように届けるか
「目標」(Who)が決まり、「戦略」(What)が決まったら、「戦術」(HOW)を決めていくことになります。
ちなみに、ここでいう「戦略」(What)とは、具体的な自社の商品・サービスのことではありません。
”ドリルではなく、穴を売る”という格言のとおり、自社の商品・サービスを使ってもらうことにより、お客様のなかに生まれる「感情」のことです。
お客様に届けたい「感情」(例えば、感動、興奮、安心感など)を決めた後、それをどのような手段で届けていくのか、その手段として自社の商品・サービスがある、という位置づけとなります。
つまり、自社の商品・サービスは手段である(戦術のひとつである)、ということになります。
商品のほかにも、お客様へ届ける手段は様々あります。
会社とお客様との接点となるところで、一般的には、この「戦術」がお客様の自社に対するイメージに直結するため、自社のブランドをお客様のなかに確立していくには、この「戦術」づくりを上手に組み立てていく必要があります。
森岡毅著「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方-成功を引き寄せるマーケティング入門-」(角川書店) を参考に、一般的に考えられているマーケティング・ミックス(4P)を整理してみました。
製品・商品・サービス(Product)
どのような商品・サービス(内容、見せ方)を設定すれば、お客様にWhat(自社がお客様に届けたい感情)を届けられるか、という視点で考える必要があります。
価格(Price)
- お客様の需要に応じた価格設定となっているか?
- コストに応じた価格設定となっているか?
- 競合との関係において、どのような価格設定とすべきか?
- 流通マージンやプロモーションコストを踏まえた価格弾力性を持たせられているかどうか?
流通経路の設計(Place)
お客様へ届ける流通経路をどのように設計するかを考える必要があります。
お客様の目に触れる広さをどこまで取るか、流通コストをどう考えるか、といった観点から考えることとなります。
- 卸売(仲介)を活用するかどうか
- 小売店への販売を自社自ら行うかどうか
- お客様へ直接販売を行うかどうか
販売促進の方法(Promotion)
- 広告はどのような媒体で運用するか
- 販売促進をどのように行うか
- キャンペーンを行うか
最後は、お客様の心理を理解しようとする努力
「戦術」には多様な手段があり、使いこなすことも難しいものです。
チラシのデザインをどのようにしていくか1つ取っても、自社で作るにしろ、他社に依頼するにしろ、どのようなイメージで伝えていくべきかということは悩ましいところでもあります。
「目標」と「戦略」が曖昧であればあるほど、「戦術」の波のなかで、流されたり溺れてしまう可能性が高くなってきます。
”誰に、何(感情)を届けたいのか”
といった軸を明確に持っている必要があります。
そして、それを明確にするには、最終的には、
”お客様の心理・ファン心理・お客様の視点を、どこまで詳細に理解できているか”
という点に集約されるのだろうと考えられます。