自社の目標や戦略などを考える前に、自社を取り巻く状況(戦況)をできるだけ正しく把握しておく必要があります。
森岡毅著「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方-成功を引き寄せるマーケティング入門-」(角川書店)を参考として。
自社の目標や戦略を決める前に、把握しておくべきこと
会社の打ち手を決める際、「目的→目標→戦略→戦術」の順番で考えていく方が望ましいとされています。
つまり、自社のミッション(目的)を掘り下げたうえで、誰に(目標)、何を(戦略)、どのように(戦術)売るのか、という順番で考える、ということになります。
その前に、やっておかなければならないとして、「戦況分析」が挙げられます。
自社の打ち手を考える前に、まずは”自社が取り巻く環境”を正確に把握しておく必要があります。
自社の取り巻く環境を十分に見渡したうえで、自社の目的を見定め、戦略→戦術と検討していくことになります。
なぜ戦況を把握しておくべきか
なぜ、戦況(自社を取り巻く環境)を先に把握しておく必要があるのか。
自社の取り巻く環境とは、世の中の政治経済社会の流れ、競合のこと、消費者の心理心情、自社の経営資源などのことを指しています。
自社がどのように画期的な戦略を考えたとしても、世の中の大きな流れや力学には逆らってはうまくいかないことがほとんどです。
軍略において、地理地勢や天候を理解し、味方につけることで戦況を優位に進めた事例が多くあるように、
ビジネスにおいても、世の中の大きな流れ(政治経済社会、競合、消費者の心理心情、経営資源など)を理解・認識し、味方につけ、その力学に沿った道筋を考えることで、戦況を優位に進めることができるのだろうといえます。
何を把握すればよいか
戦況を把握する、とは、具体的に、どのようなことを把握すればよいのでしょうか。
森岡毅著「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方-成功を引き寄せるマーケティング入門-」(角川書店) に紹介されていた5C分析を、自分なりにわかりやすい言葉に置き換えて、まとめてみました。
自社の状況を理解する(=Company)
- 自社のミッション・ビジョン
- 自社の経営資源(人材、設備、資金、知財、情報)
- 自社の能力
- 自社の強み・弱み
- 自社の過去の実績と、そのときに機能した自社の強み
消費者の心理心情感覚を理解する(=Consumer)
- 消費行動のデータ
- 消費者の自社に対する認識・理解
- 自社のことやビジネスに限らない視野での、消費者の心理や感覚への理解
- ”ドリルを買いに来た人が欲しいのはドリルではなく穴である”という感覚
(消費者のニーズの根源的な理由) - 潜在化している部分にとらわれない消費者の価値観、悩み、お困りごと、関心
- 消費者が、ある場合に取る行動・別のある場合の取る行動のなぜ?への理解
- 消費者自身も気づいていない心情やニーズ
取引先・業務提携先の状況を理解する(=Customer)
- 取引先や業務提携先の方針・関心
- 取引先や業務提携先の強み・弱み
- 取引先や業務提携先の戦略
- 取引先や業務提携先が属する業界全体としての傾向、流れ
競合の状況を理解する(=Competitor)
- 同業他社の状況、動向
- 同業に限らず、自社の代替となりうるすべての業界の状況、動向
- ”自社の代替となりうる業界”の理解のために、普段、自社が消費者に提供している”価値”が何なのかということへの理解の掘り下げ
世の中全体の流れを理解する(=Community)
- 法律
- 税制
- 景気
- 為替
- 社会全体の流れ
- 世論(マスコミの論調)