相手に伝えるだけのつもりで話していても、自分の耳にも届いており、自分もそれを聞いているものです。
伊藤守「図解コーチングマネジメント」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)から学んだこと。
会話することの作用
誰かと誰かが会話をし、誰かが誰かに話すとき、相手の耳に入れて伝えるために話しているのですが、
その発した言葉は、自分の耳も聞いています。
話すことによって、自分が漠然と思っていたことを明確に認識することができたり、
話している最中に、そこからさらに自分がなんとなく思っていたことに気づくこともあります。
つまり、「会話する」ということは、相手の情報を伝達する作用だけではなく、
自分が何を思っているかを知るという作用があるといえます。
自分の思っていることへの気づき
自分が漠然と内面的に持っていた考え・アイデア・理想・願望・問題解決方法は、
誰かと話すことを通じ、自分でも自分が話していることを聞いています。
話してみてはじめて、自分が何を思っていたのかを気づき、認識することができ、
さらにそこから新しい気づき・アイデア・ひらめきを得ることもあります。
逆にいえば、人は、自分の内側に持っている情報というものを、”会話”という形で一度外に出さないと認識することができないことも多く、自分が思っていることを形にすることができません。
思っているだけではなんとなく流れていくことも多く、アウトプットし、現実に形にするきっかけを持つことができないことも多いものです。
「聞く」ことの”角度”を考える
上記を踏まえて考えると、相手の話の「聞き方」の意識も角度も変わってきます。
できるだけ相手に、内面でなんとなく思っていることについて会話という形でアウトプットしてもらい、具現化してもらい、頭の整理をしてもらえるように。
あるいは、そこから先、より多くの気づきを持ってもらい、さらによりよいアイデアを引き出すサポートができるように。
そのような視点が「聞く」ということを捉えると、より相手の役に立つことができるようになるのでは、
と思っています。