ローカルベンチマークとは

経済産業省が出している「ローカルベンチマーク」とは何か。

松波竜太編著・監修、資金調達相談士協会著「中小企業の財務改善ノウハウ」(第一法規)を参考にして。

目次

ローカルベンチマーク

ローカルベンチマークとは、経済産業省が平成28年3月に発表した「企業の健康診断ツール」です。

エクセルシートのフォームに様々な情報を入力することで、企業の健康診断ができるというものです。

金融庁においても平成28年9月に「金融仲介機能のベンチマーク」を公表し、事業性評価融資のほか、このローカルベンチマークの活用状況について言及しており、金融機関にとってもこのローカルベンチマークの活用に着目するに至っています。

上記のとおり、ローカルベンチマークは、金融機関との対話を進めるためのツールともいえ、押さえておきたいところです。

財務情報の内容

ローカルベンチマークのエクセルシートの結果項目として、財務情報としては以下の6つが挙げられています。

  • 売上増加率
  • 営業利益率
  • 労働生産性
  • EBITDA有利子負債倍率
  • 営業運転資本回転期間
  • 自己資本比率

売上増加率(売上高/前年度売上高-1)

企業の成長ステージを見るための指標です。

営業利益率(営業利益/売上高)

本業の収益性を図る指標です。

労働生産性(営業利益/従業員数)

企業の成長力・競争力等を評価する指標です。

EBITDA有利子負債倍率((借入金-現預金)/(営業利益+減価償却費))

有利子負債がキャッシュフローの何倍であるか(返済能力)を見るための指標です。

営業運転資本回転期間((売上債権+棚卸資産-借入債務)/月商)

売上と増減と運転資本の増減とを比較し、回収・支払い等の変化による必要運転資金の増減を見るための指標です。

自己資本比率(純資産/総資産)

総資産のうち、返済義務のない自己資本が占める割合(安全性)を示しています。

非財務情報の内容

ローカルベンチマークのエクセルシートの結果項目として、非財務情報としては以下の4つが挙げられています。

  • 経営者への着目
  • 事業への着目
  • 企業を取り巻く環境・関係者への着目
  • 内部管理体制への着目

経営者への着目

経営者のビジョン・経営理念・後継者の有無など。

事業への着目

商流、ビジネスモデル、製品・サービスの内容、製品原価、市場規模・シェア、競合他社との比較、技術力、販売力の強み弱み、IT能力など。

企業を取り巻く環境・関係者への着目

顧客リピート率、主力取引先企業の推移、従業員定着率、勤続日数、平均給与、取引金融機関数と推移、金融機関との対話の状況など。

内部管理体制への着目

組織体制、事業計画の有無、社内会議の実施状況、人事育成の取組み状況など。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

  • URLをコピーしました!
目次