令和2年7月豪雨支援策(経済産業省・中小企業庁発表)の「セーフティネット保証4号」とは【徹底解説】

令和2年7月豪雨被害に対する経済産業省・中小企業庁の支援策のうち、「セーフティネット保証4号」とは、なんでしょうか?

目次

令和2年7月豪雨被害に関する経済産業省・中小企業庁の支援策

令和2年7月豪雨被害に対し、経済産業省が、被災した中小企業・小規模事業者への対応を発表しています。

また、同内容ですが、中小企業庁も、「被災中小企業者等支援策ガイドブック」(第3.2版)を発表しています。

※経済産業省や中小企業庁は、Twitterでも積極的な情報発信を行っています。
フォローしておきましょう。

セーフティネット保証4号の適用とは?

経済産業省・中小企業庁が公表している支援策の項目は以下です。

※概要については、以前の記事でご紹介しました。
今回、中小企業庁ガイドブックとしては第3.2版が最新ですが(7/12現在)、適用地域の拡大によるもので、項目に変更はありません。

対象はいずれも、長野県・岐阜県・福岡県・熊本県・大分県・鹿児島県で、被災した中小企業・小規模事業者です。

1.特別相談窓口の設置
 日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、信用保証協会、商工会議所、商工会連合会、中小企業団体中央会、よろず支援拠点、全国商店街振興組合連合会、中小企業基盤整備機構九州本部、九州経済産業局

2.災害復旧貸付の実施
 日本政策金融公庫、商工組合中央金庫

3.セーフティネット保証4号の適用
 信用保証協会が一般保証とは別枠の限度額で融資額の100%を保証するセーフティネット保証4号を適用

4.既往債務の返済条件緩和等の対応
 日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、信用保証協会につき、返済猶予等の既往債務の条件変更等の対応の迅速化・弾力化

5.小規模企業共済の災害時貸付
 被害を受けた小規模企業共済契約者に対して、中小企業基盤整備機構が、原則として即日で低利で融資を行う災害時貸付を適用

このうち、「セーフティネット保証4号の適用」とありますが、これって一体何なのでしょうか?

これについては、セーフティネット保証4号の概要については、経済産業省の参考資料があります。

セーフティネット保証とは、「事業者が銀行などから借入れをする際、保証協会という公的な保証人が保証をしてくれますよ、銀行は保証協会が保証してくれるので、安心して事業者にお金を貸してくれる状態になりますよ」というものです。

なかでも、4号は、保証協会の100%保証です。

活用の際は、まずはメインバンクに相談しましょう。

その後の流れは、以下になってくると思われます。
 ①メインバンク等へ相談
 ②市町村に、売上減少を認定してもらう
 ③保証協会へ保証申込み
 ④メインバンク等より資金貸付

次に、この「市町村に、売上減少等を認定してもらう」という部分です。

セーフティネット保証4号には、要件があります。

1)指定地域において、1年間以上継続して事業を行っている。

2)災害の影響を受けた後、以下①+②程度の売上減少が見込まれること。
 ①最近1か月の売上高が、前年同月に対して、20%以上減少
 ②①のその後2か月を含む3か月間の売上高が、前年同期合計に対して、20%以上減少することが見込まれる

それぞれの県や市町村がセーフティネット保証の認定について、情報を公開しています。

例えば、熊本県であれば、県HPにまとめて情報を掲載するようにしています。

具体的に、どのような申請書の様式で、どのように記載すればよいのでしょうか?

熊本県宇土市が公開しておりますので、具体的に見てみましょう。

宇土市HPより

1.事業開始年月日 →設立日は開業日を記載しましょう。

2 売上高等
 A:災害等の発生における最近1か月間の売上高等
 B:Aの期間に対応する前年1か月間の売上高等
 C:Aの期間後2か月間の見込み売上高等
 D:Cの期間に対応する前年の2か月間の売上高等
 →それぞれを記載し、計算式に当てはめて、減少率を計算します。
 見込み売上高は、根拠のある数字を記載しましょう。
 市町村の認定審査や保証協会の審査で、説明が求められることになります。


3 売上高等が減少し,又は減少すると見込まれる理由 →見込まれる理由を記載しましょう。


以上は、4種類ある申請書のうち1つです。
開業したばかりで前年同月がない場合や事業拡大して前年との比較が適当でない場合には、それに応じた様式が用意されています。

まとめ

被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

状況の落ち着きを待ち、政府から出ている支援策などを活用していきましょう。

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