すでに実績のあるものに対して分析・検証を行うことと、まったく実績のないものに対して分析・検証を行うこととでは性質が異なり、打ち手への考え方も変わってきます。
竹田陽一著「小さな会社★社長のルール ランチェスター経営成功への実践手法」(フォレスト出版) を参考として。
すでに実績のあるものへの”打ち手”の考え方
すでに実績のあるものに対して、テコ入れをすべく経営判断を考える場合、どのように考え、手を打っていくことが効果的か。
例えば、売上高へのテコ入れをしたい場合、全商品にわたってまんべんなく見直しを行うとなると気が遠くなるほど大変です。
しかし、分析してみると、売上高の大半を占めているのは、全商品のうちわずかな商品数であったりします。いわゆる主力商品というものです。
このように、まんべんなく見直しをするとなると大変なものですが、冷静になって分析をしてみると、構成要素の大半を占めているものというのは、意外と主要な少数のものであったりするのです。
よって、その主要なものをしっかり押さえていけば、効果は早く大きく表れる傾向があります。
実績がまだないものへの”打ち手”の考え方
上記と明確に区別しておくべきことがあります。
それは、実績がまだないものに対しては、分析しようがないことから、打ち手が簡単に分かるものではないということです。
何が主要なものであるかどうかということが、実績がないゆえに明らかになっていません。
このように、”0から1を生み出すような場面”においては、何から手をつけるのが正解なのかが分からないということです。
ここをよくよく区別できていないと、会社のリソースを無駄に使ってしまうことになりかねません。
いかに「仮説」を立てられるか
”0から1を生み出すような場面” においては、「いかに明確な仮説が立てられるか」が要になってきます。
それは、分析や検証といった机上で行うこととは異質なものです。
お客様の立場や心情の本質を懸命に考えて、仮説を立てる。そしてその仮説を検証する。
その繰り返しによってのみ磨かれるもので、その地道さには近道はないようです。