自社のお客様像をイメージするにあたっては、自分の頭のなかだけで考えてもいい答えは出ません。
佐藤義典「ドリルを売るには穴を売れ」(青春出版社)を参考として。
「どう切り分ける・どう絞る」は頭のなかでは決まらない
前記事で、お客様層をどのように切り分けるか、どのように絞り込むか、を書きました。
これらは、経営者の頭のなかだけで考えても、なかなか有効な案は浮かぶものではありません。
シンプルに、”答えを握っているのは、お客様だから”です。
商品を提供している側は、長年提供していればいるほど、”自分が他者からどう見えているか”が分からなくなるという、いかんともしがたいジレンマがあるからです。
現場を見る、アンケートを取る
自分の頭のなかだけで分からないと、データのみを頼りがちになりますが、データで得られる情報は(どれだけ数値を細かく)したとしても非常に大雑把で限定的です。
例えば、”20代・女性の売上”というデータを見ても、その20代女性が、20歳の学生なのか、29歳の社会人なのか、家族がいるのかいないのか、によって随分と消費傾向は異なります。
実際のお客様の”表情”がすべて
実際のお客様の”表情”には非常に多くの情報が詰まっています。
どのような表情をしているのか。
どんな人と来て、誰と来て、何をして、何を感じ、何を話し、どんな顔をして帰ったのか。
これらのリアルをビジュアルで感じることほど、多くの情報が詰まっていることはありません。
アンケートを取る
アンケートを取ってみると、実に様々な声が集まります。
自社では思ってもみなかったことを評価してもらえることもあります(ポジティブにもネガティブにも)。
それを文字で見るというのもポイントだと思います。
最も困難な”言語化”という作業を、お客様がアンケートを通してしてくれているからです。
お客様が購入した理由・決め手こそが自社の価値
お客様は、なぜ自社で購入してくれたのか。
お客様が自社にした「決め手」は何なのか。
これらが分かることで、自社自身では分からなかったことが多く見えてきます。
その「理由・決め手」こそが、自社の差別化ポイントですし、それを起点にすることで、自社が今後のお客様層をどのように切り分け、どのように絞ればよいのかが見えてくるのです。