なんでも話して欲しいと思い、伝えていても、それだけでなんでも話してくれるわけではありません。
そのためにどうあるべきか、を明確に定義し、かつ、それを守ることが必要だと考えています。
伊藤守「図解コーチングマネジメント」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)から学んだこと。
目次
よき聞き手であるために、を掘り下げる
なんでもご相談ください!と伝えたとして、それでなんでも話をしてもらえるのであれば、なにも難しいことはありません。
それ以前に、相手から、”話してみよう”、”話しても大丈夫そうだ”、と思ってもらえるような努力を具体的に行っているかも重要です。
「相手が話しやすい環境づくり」を具体的に行うことなくして、”なんでも話してください”、”なんでも相談してください”と訴えかけても、言葉と行動が一致しておらず、言葉が宙に浮いてしまいます。
自身がよき聞き手があるためには、周囲の”話す力”を高めるような環境づくりも必要だと考えます。
「話しにくい環境」を潰すこと
”話しやすい環境を作ること”は、逆にいえば、”話しにくい環境を潰すこと”、ともいえ、そこから始まるといえます。
話しにくい環境
- 攻撃的
・話を最後まで聞かない
・話の腰を折る
・話すと攻撃され、危険な目に遭ってしまうそうだと思わせてしまっている
・指で机を叩く
・険しい表情で聞く
・話すとネガティブな気持ちになると思わせてしまっている - 否定的
・否定的な言葉で返す(でも~、など)
・相手に不安を抱かせる言葉で返す - 優位に立とうとする
・言い負かすこと=コミュニケーションだと思ってしまっている
・勝ち負けで判断し、優位に立とうとする
・自分の立場を守りたい
・都合の悪いことを聞きたくない - 心を通わせて聞こうとしない
・他のことを考えており、”心ここにあらず”状態で聞く - 偉そうと思われるような態度で聞く
・話し手の方が偉いと思ってしまい、すぐに話し手側になろうとする
・ふんぞり返って聞く - 神経質と思われるような態度で聞く
・指で机を叩きながら聞く
・髪をいじりながら聞く - 聞く能力を軽視している
・意識的に(無意識的に)、”聞いてやっている”と思ってしまっている
・自分では聞けていると思い込み、聞くことに対する改善の余地が感じていない
・聞く能力は努力して身につけるものであることを知らない
「話しやすい」を作るには、上記のような「話しにくい」を潰す、ということがまずは第一歩といえます。
「聞く」を意識して磨く
会話が”交渉の場”であれば、優劣を決めることに意味がある場合もありますし、”優位に立つ”を意識することも必要な場合もありえます。
しかし、ほとんどの場合はそのような会話の場面ではなく、会話を通じて意思の疎通を図り、協力関係を作ることによって、より大きな成果を出そうという場合も多いものです。
そして、「聞く」には能力があり、聞くための環境づくりを含め、それは磨けるのだ、という意識を持つことが大事だと考えます。