起業直後の社長が知っておきたい、”お金と経理”に関する正しい選択

起業直後は、売上作りと同じくらい「お金と経理の仕組みづくり」が重要になってきますが、何が正解か迷う場面も多いものです。会社を長く存続させるために社長が知っておくべき「2つの選択肢」を比較しつつ見ていきます。

松岡靖浩著「会社をつぶさない社長の選択」(かんき出版)を参考にして。

目次

銀行と専門家の選び方:身の丈に合ったパートナーを見つけよう

事業を始めるにあたり、最初に直面するのが「どの銀行に口座を作るか」「誰に決算を頼むか」という選択です。

都市銀行 VS 地方銀行・信用金庫

起業して最初に口座を開設するなら、都市銀行ではなく、地方銀行・信用金庫をおすすめします。

地方銀行や、特に信用金庫は地域の繁栄を図る相互扶助を目的としており、中小企業や個人が主な取引先であるためです。

売上規模が数億円を超えるまでは、身の丈に合った地方銀行・信用金庫とお付き合いをするのが得策といえます。

比較項目地方銀行・信用金庫都市銀行
主なターゲット中小企業・個人事業主上場企業・大企業
起業時の対応親身に対応してくれることが多い融資などを断られるケースがある
付き合い方のコツ少額でも積立などによって信頼関係を築く売上規模(10億円以上など)が大きくなってから

地方銀行・信用金庫は担当者によって対応も変わるため、リスク分散と金利の競合を兼ね、最低でも2行とお付き合いするのがよいと考えられます。

公認会計士 VS 税理士

決算書の作成を専門家に依頼する際、「公認会計士」と「税理士」のどちらが良いか。

それぞれ得意とする”決算書を見せる相手(ステークホルダー)”が異なっており、それに応じた選択が望ましいと考えられます。

  • 公認会計士
    主に投資家や株主に向け、決算書が間違っていないかをお墨付きとして与える(監査)のが役割です。
    将来の上場やM&Aを目指すスタートアップに向いています。
  • 税理士
    主に税務署や銀行に向け、税務調査に対応でき、融資の際に評価される決算書を作ります。

一般的な会計業務や税務申告を依頼する場合には、”町のかかりつけ医”のような存在である「税理士」に依頼するのが適切と考えられます。

経理業務の進め方:社長の時間は「本業」のために使おう

日々の取引を記録する経理業務。

最近は便利なソフトも増えましたが、社長自身がやるべきか?

会計事務所に依頼する VS 会計ソフトを使う

結論からいうと、経理人材を雇える規模になるまでは、会計事務所に依頼したほうがメリットが大きいと考えられます。

選択肢メリットデメリット・注意点
自分で会計ソフトを使うコストを抑えられる可能性がある。利益を生まない作業に社長の時間が奪われる。
入力を溜め込み経営状態が分からなくなる。
会計事務所に依頼する社長が本業に集中できる。
定期的に試算表を作成してもらえる。
委託費用がかかる。

社長の時間は、利益を上げるために使うべきものです。

会計事務所に依頼すれば、定期的な連絡のなかで入力の溜め込みを防げるだけでなく、月次や四半期ごとに試算表の作成を通じて会社の財務状況を正確に把握できるという経営上の利点があります。

日常の経費精算と結論:税務調査に備える証拠の残し方

最後に、日々の細かな経費精算に関する身近な選択です。

領収書をもらう VS レシートをもらう

経費で落とす際、「宛名を手書きした領収書」をもらう習慣があるかもしれませんが、実はレシートのほうがベターなケースが多いです。

  • 領収書のリスク
    「お品代」としか書かれていない領収書は、何を購入したのか詳細が分からず、税務調査で私用ではないかと疑われやすくなります。
  • レシートのメリット
    購入した品物や、飲食店であれば何人で飲んだかまで詳細に記載されているため、税務署目線でも透明性が高く安心です。

選択を間違えず、本業に集中できる環境を

起業時はコストを抑えようと何でも自分で抱え込みがちですが、会社をつぶさないためには、外部の金融機関や専門家などの力をうまく活用することも大切です。

身の丈に合った銀行を選び、経理作業はプロに任せ、社長自身は「利益を生む本業」に集中できる環境を整えていくことが望みましいと考えられます。

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この記事を書いた人

長崎で活動する
税理士、キャッシュフローコーチ

酒井寛志税理士事務所/税理士
㈱アンジェラス通り会計事務所/代表取締役

Gemini・ChatGPT・Claudeなど
×GoogleWorkspace×クラウド会計ソフトfreeeの活用法を研究する一方、
税務・資金繰り・マーケティングから
ガジェット・おすすめイベントまで、
税理士の視点で幅広く情報発信中

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