同じ商品なのになぜ価格が変わるのか|”単位の切り方”で利益が決まる理由

実は、ほとんど同じ原価のものが、売り方ひとつで何倍もの値段で取引されることがあります。特別な技術を足したわけでも、高い材料に変えたわけでもありません。
変えたのは「どんな単位で売るか」だけです。
この見方を持っておくと、値上げや原価交渉とは別のルートから、自社の利益を見直せるようになります。

事業家bot著「金儲けのレシピ」(実業之日本社)を参考にして。

目次

ビジネスモデルあれこれ

  • 集客より関係性、LTVが商売の土台
  • 消費者から購入する
  • セルフサービス
  • スケールメリット、スモールメリット
  • 「1対多」
  • 両面に課金する
  • 砂糖を売る
  • 確率を設計する
  • 雰囲気を売る
  • 意思決定を支援する
  • 仕入れを工夫する
  • 贈答品を売る
  • 高くて良いもの
  • 権威になる
  • コアファン共鳴型
  • 仕組みそのものを売る

価格は「中身」ではなく「単位」で決まる

まず、なぜ単位を変えただけで値段が動くのか、その仕組みから整理してみます。

束ねると高くなるもの、切り分けると高くなるもの

世の中の商品やサービスは、大きく二つのタイプに分かれます。

ひとつは、「まとめると価値が上がる」タイプです。

小さな単位のままでは大した値がつかないのに、ある規模で束ねた瞬間に、足し算以上の価値が生まれるものです。

土地の再開発はその典型です。

点在する区画を一つに集めることで、はじめて大きな建物を建てられるようになり、生み出せる価値が一段上がります。


もうひとつは、「切り分けると価値が上がる」タイプです。

ひとかたまりで売ると安く見えてしまうものを、丁寧に小さく分け、ひと手間を加えて供することで、単位あたりの値段が上がります。

食材を一人前ずつ仕立てて出す飲食の世界には、こうした例が数多くあります。

なぜ「単位」だけで値段が動くのか

見落としがちなのが、買い手の心理です。

私たちは何かを買うとき、その中身を一つひとつ細かく検算して、値段の妥当性を確かめているわけではありません。

多くの場合、”これはこういうカテゴリーの商品だからだいたいこのくらいだろう”という、ざっくりした相場観で判断しています。

だからこそ、どんな単位で、どんなカテゴリーの顔をして売られているかが、支払う金額を大きく左右します。

中身が同じでも、見せる単位を変えれば、買い手が当てはめる相場そのものが変わるのです。

これを、「同じ価値を、より正しく伝わる形で届けるための工夫」だと考えると、見え方が変わってくるはずです。

自社の商品は「まとめ型」か「切り分け型」か

仕組みがわかったところで、次に考えたいのは「では自社の商品はどちらのタイプなのか」という点です。

見分けの目安

自社の商品やサービスを、まとめて売るべきか、切り分けて売るべきか。

見分けの目安は、それほど複雑ではありません。

束ねることで新しい価値や利便性が生まれるなら、「まとめ型」に向いているといえます。

単品では使いにくいものを組み合わせてワンセットにすると、買い手にとっての手間や迷いが減り、まとめた方が高くても選ばれることがあります。

一方で、一つひとつに個別の価値や物語があり、分けることでその良さが伝わるなら、「切り分け型」に向いているといえます。

ひとまとめにすると埋もれてしまう持ち味を、あえて分けて見せることで、単価が上がるのです。

たとえば製造業なら、部品単位で売るのか、組み付けまで含めたユニットで売るのか。

サービス業なら、すべて込みの一律料金にするのか、メニューを分けて選べるようにするのか。

同じ事業の中にも、束ねる余地と切り分ける余地が、たいてい両方ひそんでいます。

方向を間違えると、利益を取りこぼす

注意したいのは、向き不向きを取り違えると、かえって利益を逃してしまうことです。

本来まとめた方が価値の出る商品をバラ売りすれば、買い手は「これくらいなら」と低い相場を当てはめ、安く見られてしまいます。

逆に、切り分けてこそ光る商品を雑に束ねて売れば、一つひとつの価値が埋もれ、全体が安く沈みます。

自社の主力商品は今、どちらの単位で売られているのか。

そして、それは、商品の性質に合った切り方になっているのか。

ふと立ち止まって眺めるだけでも、値付けを見直すきっかけが見つかります。

単位を変える前に、確認しておきたいこと

単位をいじる前に押さえておきたい前提が二つあります。

見せ方だけ変えても、長くは続かない

単位の切り方は強力ですが、それは中身に見合った価値が伴っていてこそ機能します。

切り分けて高く見せただけで、実際の品質や体験が伴わなければ、買い手は一度は払っても、二度目は選んでくれません。

束ねて売る場合も同様です。

セットにした分だけ買い手の満足が増す中身になっていなければ、ただ割高なだけの商品になってしまいます。

単位の設計は、あくまで「すでにある価値を、正しく伝わる形で届ける」ための工夫です。

中身の裏づけがあって、はじめて続く利益になります。

まとめ

価格は、商品の中身だけで決まるものではありません。

同じ中身でも、どんな単位で切り出すかという設計しだいで、買い手が払う金額は変わります。

値上げや原価の見直しに行き詰まったときこそ、「この商品は、束ねるべきか、分けるべきか」と問い直してみる。

その一つの問いが、利益を動かす新しい入り口になるかもしれません。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

長崎で活動する
税理士、キャッシュフローコーチ

酒井寛志税理士事務所/税理士
㈱アンジェラス通り会計事務所/代表取締役

Gemini・ChatGPT・Claudeなど
×GoogleWorkspace×クラウド会計ソフトfreeeの活用法を研究する一方、
税務・資金繰り・マーケティングから
ガジェット・おすすめイベントまで、
税理士の視点で幅広く情報発信中

目次